何かが変わる、何かを変える。
世界は人、人の心は常に変動する。
3年前、ひとりの少女との出会いが俺を変えたように。Xing霸
性霸2000
『……うぅっ……えぐっ……』
『何で、キミが泣いてるんだ?』
『可哀想だから。貴方の代わりに泣いてあげているの……ひくっ……』
俺のために涙を流してくれた少女。
あの日から俺は人を愛する気持ちを改めて知る。
初めて出会った時はまさか俺も彼女があの時の少女だとは気づかなかった。
綾部碧流……俺にとってこの世でただひとり愛する乙女。
彼女があの時の少女だと知ったのは……俺に向けられた笑顔だった。
あの頃と何も変わらない顔に俺は思い出した。
優しく抱きしめてくれるように安心できる笑顔。
もうあの時の少女とは出会えないと思っていた……。
まさにこれは運命と言っていい。
運命の歯車は回り出す、ひとつの想いを叶えるために。
時を刻み動き出す、ひとつの出会いを奇跡に変えるために。
偽りの自分を捨て、本当の自分と向き合う。
すべては……この奇跡を必ず現実のモノとするために。
合宿と言っても親睦を深めるために楽しんで遊ぶだけ。
昼になったらそれぞれ自由行動を取っていた。
俺と奈津美を除く4人は近くにある鍾乳洞の洞窟へと行った。
1番しっかりしている法子ちゃんに地図を渡したので迷子になる事はないだろ。
俺は奈津美を連れて浜辺へと降りていた。
白い砂浜をふたりで連れ添いながら歩きだす。
「久しぶりだね、竜也とこうして一緒にこの場所を歩くのは……」
「昔はよく夕暮れになるまで、ふたり遊んでいたよな」
「……竜也は私のために綺麗な貝殻を集めてくれたり、一緒に砂の城を作っていたら大きな波に飲まれて泣いたり。いろんな思い出があるよ」
幼き頃の思い出は奈津美と共に過ごした記憶がほとんどだ。
俺はそれだけ彼女に懐いていた……慕っていたと言ってもいい。
奈津美の長い髪が風に揺れるので、俺はその髪に触れた。
「竜也、くすぐったいじゃないか。どうしたんだ?」
「……懐かしくて、つい。昔もよく奈津美の長い髪に触れたがっていたよな。女の子ってどうして髪が長いのか不思議でしょうがなかったんだ」
「そのうち、竜也も髪を伸ばすと言ってホントに伸ばしていた時期もあったじゃないか。すぐに邪魔だって切ってしまったけれど、あの時の竜也は可愛かったぞ」
「その過去は忘れてくれてかまわん。というか、むしろ忘れてくれ」
恥ずかしながら、そういう時期もあったのさ。
子供の頃は何でも興味を持ち、素直で純粋に生きていた。
「……本当に綺麗な海だよ。ここは私達が成長しても変わることがない」
過去を懐かしむ俺達は打ち寄せる波打ち際に近づく。
照りつける初夏の太陽はジワリと汗がにじむ程度。
「サンダルを履いてるなら、海に少し入らないか?さっき、碧流ちゃんと入ってみたけど、冷たくて気持ちよかったんだ」
海風を身体で感じながら、俺達は蒼い海に足だけをつけてみる。
膝までズボンをまくり、濡れないように注意する。
「水の冷たさが気持ちいい……あっ」
足を砂浜に取られて奈津美が俺の方にもたれかかってくる。
俺は彼女を抱きしめるようにして支える。
波しぶきが上がる程度でふたりとも濡れずには済んだ。WENICKMANペニス増大
「……大丈夫か、奈津美?」
「すまない……。キミもずいぶんと大きくなったな」
嬉しそうにそう言うと彼女は俺に身体を預ける。
彼女の体温が俺に肌越しに伝わる。
……女の匂いと体温、奈津美という存在に俺は心を奪われる。
「俺だって男だから……。二度も同じ事はしない」
「そうだね。昔、同じような事をした時はふたりとも海に転がりびしょ濡れだった」
幼い身体では人ひとりを支える事もできずに俺達はそのまま濡れてしまった。
あの頃とは違う、俺も成長して支える事ができるようになった。
「いつも一緒だった。辛い時も、楽しい時も、俺は奈津美と一緒に時間を過ごしてきたんだ。……どんな時にだって“奈津美姉さん”は俺の傍にいてくれた」
「当たり前じゃないか。私は竜也のお姉さんなんだから」
俺の初恋は“実姉”である奈津美だった。
いつも優しく微笑んで、時に俺を叱り、時に共に涙を流して。
そんな彼女に幼き頃から抱いたのは思慕であり、愛情でもあった。
『竜也は私が守るよ。姉が弟を守るのは義務なんだ』
両親の離婚、再婚とそれぞれが離れて暮らすようになっても、奈津美は俺から離れる事はなくて……ずっと傍にいて支えてくれた。
同じ学校に進学して表沙汰に姉弟だとバレるワケに行かなくなった時。
『姉弟がダメなら愛人という事にしよう。うん、キミの愛人なら悪くない』
俺が冗談で言った言葉を真に受けて実際に彼女は実行してしまった。
普通ならその言葉の意味に引いてしまうだろう。
それでも彼女は関係を守るためと言って、本気で行動してくれている。
『こらっ!ダメだぞ、竜也。私の目の届かない所で悪さをしちゃ……』
『優しいよ、竜也は……他のどの男よりも優しい子だ』
『あっ……もうっ、ホントに竜也は可愛い。照れるじゃないか』
俺のために、俺のために、俺のために……。
常に奈津美は俺のために考えて、行動してくれる。
いつしか、それは俺が奈津美を束縛しているのではないかという考えに変わる。
「奈津美は後悔した事はないか?俺のような出来の悪い弟を持った事を……」
強い波が俺達の間を抜けていくと、波しぶきがズボンにかかる。
「……後悔?したことないよ、そんなモノは……私は竜也の事を出来の悪い弟なんて思った事もない。少しぐらい手間のかかる方が可愛いものさ」
奈津美はそっと背伸びして俺の頭を撫でてくる。
「昔は私の方が見下ろしてたのに。いつしか、私が見下ろされてる……不思議だ」
彼女には彼女の別の道を歩む選択もあったはず。
俺のために何かを犠牲にしてきたのでは?
そう思う日々もあったが奈津美の一言により、それは解消された。
『大切な弟の傍にいられる事が何よりも幸せなんだ。ブラコンなんだよ、私は……』
笑って言われてしまうと、それ以来、俺には何も言えない。
彼女の望みと俺の望みが同じなら否定する必要はない。
「奈津美姉さん。俺は……感謝してるよ、ずっと俺のために生きてくれた。その現実がなければ今の俺はここにいない。本当にありがとう」
「大げさだね、今日の竜也はどうしたんだい?キミのために生きることが私の生きがいんだ。そんな事を気にされても逆に困るんだ」
俺は奈津美の手を取り、その手を握り締めた。
女の子らしい小さな手だが、その存在は俺よりも遥かに大きく感じる。
「……竜也が手間のかからない子だったら、私はきっと違う人生を歩んでいたかもしれない。だけど、それはきっと今よりも幸せではなかったと思う」
海に反射する光がきらめくように輝く光景をふたりで見つめる。
「姉弟という関係が壊れて、形なき絆のみの関係になってしまった。あの日から私達は変わらずに姉弟を続けられた。それって本当にすごい事だよ」
「……ずっと、これからも続いていけると俺は信じてる」procomil
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「私もそうさ。キミが誰かを好きになっても、常に2番目の位置で見守っている」
奈津美は握った手を離さないようにと、指をしっかりと絡めてくる。
「竜也は碧流さんが好きなんだろう?あの子が今、とても大切なんだ」
「あぁ。以前に話したことがあった、俺を変えた女の子の話を覚えてるか?碧流ちゃんはあの運命の少女だったんだ。本当に俺達は運命で繋がれていたんだよ」
「その話は覚えているけど……そうか、そうだったんだ」
昔の俺は人に誇れるような人間ではなかったと思う。
今のように生徒会長をするようなタイプでもなかった。
そんな自分を変えてくれたのは碧流ちゃんとの出会い。
俺の中のすべてをガラリと変えてしまった……。
「私は今の竜也も昔の竜也も……好きだよ。キミが好きだ、私の愛しい弟。だから……キミの好きなようにするといい。私はそれを見守り続けるだけ」
「……綾部の事も、黒羽のこともある。何もかもが上手くいくわけじゃない」
「黒羽の事は竜也なりの優しさだと私は思っている。あれから3年も過ぎているし、キミは今さら苦しむことはない。今のキミに必要なのは信じることだ。自分を、私を、碧流さんを……自分の世界を信じていく。それができれば問題ないよ。大事なのは過去じゃなくて現在だ」
誰よりも信じた相手が俺を信じてくれている、これに勝るものはない。
「そんな真面目な事を竜也が考えちゃいけない。そんな顔してないで、私に見せてくれ。キミの笑顔を……。キミは頭で考えるよりも本能で動いてる方がいい。ほらっ!」
「つ、冷たいっ。やったな、奈津美。百倍返しだ!」
「あははっ……そうだよ、竜也。私はキミの笑顔がみたいんだ」
奈津美は冷たい海の中でこどものようにはしゃぐ。
それにつられて俺も童心にかえるように軽く水を掛け合う。
かけがえのない人に支えられて、俺はここにいる。
……もはや、怖れるものはなくなった。
俺は最後の覚悟を決めて、碧流ちゃんに向き合おう。
「……ひゃんっ。竜也、わざと上着にばかり水をかけてるだろ」
「別に。ちょいとピンクの下着が透けてるとかは関係ありません」
「あ、あぅ……ずるいぞ、キミは……。エッチなのは許さんっ。えいっ!」
子供のように海で遊ぶ俺達は洞窟探検を終えた瀬能達が海に来るまで続けていた。
今だから、あえて言わせてくれ。
奈津美、俺はホントに貴方の弟でよかった。
姉弟の絆は強く深まり、切れることのないものへと変わる。
夏の海にまたひとつ、楽しい思い出が追加されていく。
……握ったこの手を離さないでよ、奈津美姉さん。西班牙蒼蝿水
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