私と祥吾ちゃんの結婚式を2週間後に控えたある日。
私たちは宝仙家主催のパーティーに参加していた。
お気に入りのドレスを身にまとい、政財界のお偉い方も出席しているパーティーに私はいろんな人にあいさつ回りをしていた。SEX DROPS
あまりこういうのは好きじゃないけれど、鏡野家として恥じる事はしたくない。
「もうすぐ結婚されるそうですね、更紗様。おめでとうございます」
「しかも、お相手はあの祥吾様なんでしょう?羨ましいですわ」
私の相手は主に同年代の女の子たち、お偉い方達の子供同士の付き合いだ。
今、話をしている彼女達もそれぞれ有名なお家のご令嬢、昔からパーティーでの付き合いがあるから、友人とも呼べる間柄だけどね。
私はある程度の気楽さを持って接しながら、
「ええ。祥吾は私の婚約者です。とても有能な人ですからこれからが楽しみですわ」
普段は使わないお嬢様言葉もフルに使って、私は彼女達に微笑みながら祥吾ちゃんの事をおおいに自慢する。
婚約者でもある祥吾ちゃんは結構、政財界では有名だったりする。
今回のパーティーの主催者、宝仙家と組んでいるプロジェクトは成功を収め、若手ながらその実力を皆に示した。
若手としても、その才能と実力は評価に値し、注目も浴びている。
難しい事はよく分からないけれど、祥吾ちゃんが認められるのは嬉しい。
その祥吾ちゃんは私とは違って、大人の人々との対応に忙しそうだ。
「はじめまして、鏡野祥吾と申します。今後ともよろしくお願いします」
私のお父様と一緒にいろんな人への挨拶やら、紹介やらでパーティーを楽しむ余裕はなさそうだ。
様々な人々と親交を深め、これからの鏡野家を支えていくのも大変そう。
私は心の中で彼に「頑張って」と応援していた。
「彼は私達と同年代なんでしょう?それであれだけの落ち着きぶりはさすがですわ」
「それに品もある上に美形ですし、更紗様とお似合いだと思います」
「そう言っていただけると私も嬉しいです」
私の祥吾ちゃんは本当にすごいんだから……えへへ。
爽やかな笑顔で華やかなパーティーを楽しんでいた。
私は気分よくパーティーの料理を食べていると、目の前にひとりの男が姿を現す。
「ったく、宝仙家っていうのはすごいね。全く金の使い方が違うぜ」
全く持って品のない言動、荒々しい態度……誰だ、この人?
このパーティーの雰囲気に似つかわしくないその男が私達に近づいてきた。
茶髪に染めた髪に鋭い眼光が印象的、歳は20歳前半ぐらいかな?
ああいうのでもどこかのお金持ちのご子息なんだろう。
「何だよ、こっちには可愛い子たちがたくさんいるじゃん」
こちらに目をつけたようなので、私達は視線に気づき話を止める。
まるでライオンに狙われたような雰囲気にきまずくなる。
「あの方は確か、五反田家のご子息、五反田幹人(ごたんだ みきひと)様でしょう?」
「ああ。あの成り上がりの五反田家ですか。はぁ、相変わらず品のない方ですわね」
「更紗様、気をつけた方がいいですよ。あの方、悪い噂しか聞きませんもの」
五反田家……私の記憶が確かだと、一代で財をなしたまだ新しい家柄のはず。
成り上がり、そう言われてるだけでなく、そのやり方は横暴、卑劣、そんな言葉が真っ先に浮かぶほどいい噂がない鏡野とは比べようのない格下の家系だ。
しかし、その強引な経営手腕や能力には計り知れない未知数なところがある。
肝心の跡取り息子がああでは先は長くないだろうけれど。
「……アンタ、どこか見た事があるな。誰だっけ?」
私は五反田に声をかけられてすくみながらも挨拶を返す。
どんな相手でも鏡野としての対応は必要だから。
「私は鏡野家の鏡野更紗と言います。五反田幹人様でよろしいですわね?」
「ああ。俺の事を知ってるのか。アンタ、美人じゃん。あの鏡野のご令嬢かよ」
威圧的な物言いに私の付近にいた女の子達も動揺を見せる。
嫌な奴、こういうのは適当にあしらうのが1番。
「……少しは場所をわきまえたらどうですの?ここはパーティー会場ですわよ」
「ははは、そいつは悪いな。俺はそういうのが苦手なのさ。そういや、アンタの婚約者って噂の祥吾とか言う男だろ」
「ええ。祥吾は私の大切な婚約者です」
……くっ、この男の物言いは私の嫌な相手を思い出すから嫌いだ。
「知ってるよ、知ってる。噂で聞いてるぜ。野良猫が一匹、鏡野に住み着いてるってな」
「……何ですって?」
私の怒りの声に彼は品のない笑いを浮かべながら、三体牛鞭
「鏡野家の後継者候補、鏡野祥吾っていうのは本来は鏡野には縁のない庶民の生まれだろ?そんな奴が俺たちと肩を比べようなんて笑える話だ。野良猫は野良猫らしく、地面にへばりついて、みすぼらしく生きていけばいいのになぁ」
「……野良猫って呼ぶな。祥吾ちゃんのことをそんな風に呼ばないでっ」
祥吾ちゃんの事をこんな風に言うなんて許せない。
特に野良猫は私も祥吾ちゃんも嫌いな言葉だから尚更だ。
私はつい場を忘れて、素で彼に言い返してしまう。
「貴方に彼の何が分かるの?成り上がりの五反田家が鏡野家をバカにするなど無礼にも程があるわよ。身の程をわきまえなさい」
私の言葉が気に入らないのか、五反田は睨みつけて詰め寄ってくる。
「ずいぶん偉そうな言い方をするんだな、鏡野っていうのは。成り上がり?言ってくれるじゃないか。野良猫に支配されようとしている未来無き家に比べりゃ、マシだ。アンタだって、ただ可愛いだけのお嬢様だろ?何も出来ない娘がほざくなよ」
……ああ、こいつ、あの男に似ているだ。
私を誘拐して殺そうとした祥吾ちゃんの実父に嫌なくらいに性格が似ている。
他人を否定する事で己を肯定する、そんな彼に私は嫌悪感を隠さずに怒鳴った。
「祥吾は貴方と違う。彼を野良猫なんて誰にも言わせない」
「家柄が評価されるこの世界で、何の力もない庶民が紛れ込むだけでもウザイんだ。鏡野の中でもアイツを嫌悪する人間はいくらでもいるって聞くぜ」
「貴方こそ、人にどうこう言えるだけの家柄でもないでしょう」
どうして祥吾ちゃんの事を悪く言う人は後を耐えないんだろう。
私達の騒動に周囲の目が向けられていく。
「……あはは、マジでムカつく女だな。気の強い女って、俺は嫌いなんだよ」
五反田は軽薄な笑いを見せ、私の肩に触れようとしてくる。
「女なんて、しょせんは男の玩具でしかないんだからさぁ!」
私は彼の行動から伝わる危機感に身体を強張らせる。
だが、突如、彼の顔に水がかけられてその手が止まる。
「……な、何だぁ?冷てぇな。……お前は?」
「失礼。手が滑りましたわ。ごめんなさいね、五反田様」
凛とした態度と強い意志を持った声、長い髪を揺らし、薄紅色のドレスを着た女性。
鏡野家と同様に日本指折りの財閥、宝仙家のご令嬢、宝仙霧香がそこにはいた。
彼女の隣には静かに怒る祥吾ちゃん、私に駆け寄って肩を抱きしめてくれた。
「祥吾ちゃん……怖かったよ」
「すまん、来るのが遅れた。霧香さんが知らせてくれたんだ、もう大丈夫だから」
霧香が五反田にコップの水をわざとかけて気を逸らしてくれたらしい。
彼女は彼を軽蔑の眼差しで見下す。
「……貴方のような方がこのパーティーにいる事自体が不快ですわ。品格を持ち合わせていない方に宝仙の敷地に踏み入れられると困りますもの。お帰りなさい」
「ホント、ムカつく野郎ばっかだな。……ん、ふははは」
彼は祥吾ちゃんの顔を見て、大きな声で笑う。
「アンタが野良猫の鏡野祥吾だろ?たいした面構えじゃねぇか」
「……五反田幹人、僕の婚約者を傷つけようとする事は誰であっても許さない」
「野良猫が鏡野の権力を握り締めてるような言い方するじゃねぇよ。勘違いしてるんじゃないか。ここはお前のような生まれが違うものが住む世界じゃないんだ。野良猫がいていい場所じゃないって言ってるんだよ」
五反田は祥吾ちゃんの襟首を握り締めてしめあげようとする。
私はそれを見ているしかできないでいた。
「……それ以上、彼への侮辱は私が許しませんわよ、五反田様」
霧香は強い口調で五反田を責める。
「貴方は宝仙家と鏡野家、このふたつを敵に回すおつもりですか?そこまで頭の回らないバカではないと思います。……お下がりなさい」
祥吾ちゃんは何も言わないで彼の手を振り払う。
その行動に五反田は濡れた髪をすくい上げて、はき捨てるように言い放つ。
「……へっ、まぁ、いいや。今日は挨拶だけにしておいてやる。本番はこれからだからな」
「……挨拶?何を言ってるんだ?」
「覚えておけよ、鏡野祥吾、宝仙霧香。いい気になれるのも今のうちだ。いずれお前らを俺にひざまずかせてやる」
私は祥吾ちゃんに抱きついたまま、彼が立ち去っていくのを待った。
身体が震えてる、嫌だ、ああいうタイプは大嫌い。
「大丈夫か、更紗?」
「うん。……五反田ってあんな嫌な奴なんて知らなかった」男宝
「更紗様、ごめんなさい。私もあれほど常識知らずで下品な方だとは思いませんでした。祥吾様も失礼しましたわ。あの方を招いたこちらの失態です」
霧香は嫌悪を込めてそう言葉にする、こんな彼女を見たのは初めて。
「気にしないで、霧香さん。俺は気にしていませんから」
「……本当に申し訳なかったです。私たち、宝仙や鏡野を全く恐れない五反田家。これから気をつけるべき相手になるかもしれませんわね」
それにしても霧香って、すごくカッコよすぎる。
同い年なのに大人の女の人ってオーラが出てるし、しっかりしている。
うぅ、祥吾ちゃんの理想の女の人、私だって……ただのお飾りのお嬢様じゃないもん。
本物のお嬢様らしさを見せ付けられて私は少しだけへこむ。
祥吾ちゃんと霧香は事態の収拾に忙しくて、また私は皆と話をすることに。
「すごいですわね、霧香様。カッコよかったです。尊敬しますわ」
「祥吾様だって噂に違わぬ、素晴らしい方でした。更紗様も幸せものですね」
「……ええ。祥吾はいつだって、私を守ってくれるから」
それにしても、祥吾ちゃんと霧香はずいぶんと親しいみたい。
あれだけ息があってると羨ましいというか、何かやだなぁ。
ううん、一人前に嫉妬する前に私も、もっと彼女のようになれるよう頑張ろう。
これからは祥吾ちゃんを支えていかないといけないんだから。
その後はパーティーも明るさを取り戻して楽しく過ごす事ができた。
帰り道、私達は送迎用の車内で先ほどの話をしていた。
祥吾ちゃんは疲れた声で言葉を選ぶように言う。
「……野良猫って呼ばれる事には慣れているが、アイツに言われると癪だな」
「祥吾ちゃんは野良猫じゃない。私がそう呼ばせない。祥吾ちゃんは皆に認められている、もう立派な鏡野家のひとり。気にしないで、祥吾ちゃん」
もう彼は私たち、鏡野の人間なのにあの五反田って男は……。
気にしてないと言っても、祥吾ちゃんが傷ついてるのは分かるから。
「ありがとう、更紗。その言葉、俺にとって1番支えになってくれる」
祥吾ちゃんに寄りかかるとそのまま受け入れてくれる。
「祥吾ちゃんはひとりじゃないんだから。辛い時は私に頼ってよ。まだ頼りないかもしれないけれど、私も頑張る。祥吾ちゃんを支えられるように頑張るから」
「ああ。……もう俺はひとりじゃないんだよな」
私がいる限り、祥吾ちゃんが孤独になることはない。
私にできることがあるのなら、全力で彼の支えになりたいんだ。
彼はどこか遠くを見つめるような瞳で言った。
「それにしても、あの男。気になる事を言っていたな」
「気になる事?」
「いい気になれるのも今のうち。……何を企んでいるんだろう。霧香さんもそれが気になるようで少し調べてみるとか言っていたから。変なことにならないといいけど」
祥吾ちゃんと霧香に関わる何か、それに五反田が絡もうとしている。
特にああいうタイプは何をするか分からない。
「危険な事にならないといいな。……もうすぐ結婚式なんだから怪我しないでね」
「そういう類のこととは違う気がする。もっと何か大きなモノが動こうとしているんだ。俺にはそんな気がしてならないんだよ」
それは彼が久しぶりに見せた不安そうな表情。
勘のいい彼が言うのだから、そういう展開になる可能性は大きいということ。
私にできるのは彼の不安を取り除く事だけ。
「……祥吾ちゃん」
私の甘えに祥吾ちゃんも少しだけ顔色を明るくしてくれる。
「どんなことになっても俺が更紗を守る。それだけは約束する……」
「……うん。祥吾ちゃんを信じてるよ」
私達の知らないところで事態は確実に進行していた。
そして、数日後、祥吾ちゃんの不安は現実のモノとなる。
今回の出来事は鏡野家を巻き込む大事件のはじまりに過ぎなかったんだ。
私と祥吾の結婚式まで残り14日、私たちは無事に結婚できるのかな。男根増長素
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