突然、好きでもない人にキスをされてしまったらどうする?
そして、その唇の感触をいまだに覚えている自分。
この胸の中で大きく膨らむ想いは“恋”なんだろうか?
それを私は今でもわからずにいた。簡約痩身
私の名前は奥村華鈴(おくむら かりん)。
今年の春に地元の高校に入学した高校1年生。
そろそろ高校生活にも慣れ始めた、季節は眩しい太陽の照りつける夏。
私はいつものように自転車に乗り学校に登校していた。
私の家から高校までは少しだけ離れている。
同級生達はバスを使う事が多いのだが、私はあの人ごみが嫌いで自転車通学をしていた。
しばらくすると上り坂に差し掛かるけど、その手前には高校前で止まるバス停がある。
バス通学の高校の生徒は皆そこで降りていた。
この急な坂を上る辛さを味わうのは皆同じというわけ。
「おはよう、華鈴ちゃん」
バス亭に止まったバスから下りてきた少女に声をかけられた。
「杏、おはよう。ずいぶんと暑くなって来たわね」
「うんっ。昨日の夜はすごく寝づらかったもん」
彼女に私もいつものように挨拶をする。
茶髪のツインテールが印象的な可愛い系の綺麗な美少女。
彼女の名前は阪原杏(さかはら きょう)。
小学校から付き合いがある私の親友だ。
「……相変わらず自転車か。バスで来た方がラクでいいだろうに」
あくびをしながらこちらを、正確には私の自転車を眺める男。
「アンタみたいなのにセクハラされたくないのよ」
彼は杏の幼馴染で、名前を東崇弘(あずま たかひろ)という。
ルックスは確かにその辺りの男の子より断然いいけど、性格はかなり悪い。
特に私にとって彼はあまり、いや、かなり相性の悪い存在で、出会えばいつも口喧嘩ばかりしていた。
「相変わらず、自意識過剰か?誰も好き好んでお前に何か手を出さないさ」
崇弘はいつものように嫌味たらしく言葉を放つ。
ああいえばこういう、いつもながらムカつく男。
彼と口論ばかりしていても時間の無駄なので、今日は私から折れる事にした。
「それがいいわね。さて、こんな変態は放っておいてさっさと学校へ行くわよ」
「あ、うん……」
私はいつものように杏の鞄を自転車のカゴに入れて坂を上り始めた。
「ほら、崇弘ちゃんも早く行こう」
そう言って、杏は崇弘の手を引いて歩き始める。
少し照れくさそうに微笑する杏。
崇弘も慣れた様子でそれを受け入れている。
……ホント、こんな男なんて放っておけばいいのに。
「……どうしたの、華鈴ちゃん?」
「ううん、何でもないわ」
私の知る限り、ふたりは恋人ではない。
けれど、いつそうなってもおかしくないくらいに昔から仲がよかった。
……多分、杏にとって崇弘は好意を抱いている存在なんだろう。
こんな男のどこがいいのかは知らないけれど、長年共に過ごした時間が彼女の目を曇らせてるのかもしれない。
昔といえば以前は私と崇弘もこんな喧嘩ばかりするような関係ではなかった。
少なくとも私は彼に敵意を持ってはいなかった。
だけど、半年前、中学3年生のあの事件が私達の関係を変えたんだ。
中学3年の頃、崇弘と私は杏という接点がありながらも仲がいい方ではなかった。
仲が悪いというワケでもなく、ただどちらも相手の存在を気にしていなかっただけ。
たまにお話しする程度、友達の友達が私の友達とは限らない。
1月に入ると、受験シーズン真っ只中って感じで皆がピリピリしていた。
休憩時間でも真面目に勉強をしている生徒が目立つ中、私はクラスでもそれなりに浮いた存在であった。
私は既にスポーツ推薦で高校入学が決まっていたから。
得意だった部活の活躍で私は推薦をもらい、去年中に合格をすませていた。
だからかも、受験組の友人達と溝ができ始めたのは……。
真剣に勉強をしている彼らの邪魔にならないようにしなくてはいけない。
私はそういう空気の読めない人間ではない。
だから、教室の雰囲気が嫌で休憩時間はいつも屋上で過ごしていた。
『あなたはいいよね。もう合格が決まっていて』
あの教室にいるとクラスメイトにそう言われてしまう。
私は既にあなた達がしている事を終えただけなのに。
余裕がないから仕方ないとは思うけど、推薦組に対する態度は何か腑に落ちない。
もうっ、推薦って安心を得られる代わりに辛さを得るって感じ。
屋上には私だけじゃなくもう一人そこで休憩時間を過ごす人がいた。
「ん?奥村じゃないか。最近よく会うな」
崇弘は屋上のベンチで寝転がるようにして休息していた。
彼もスポーツ推薦で同じ高校に合格している。V26Ⅲ速效ダイエット
部活は違えども、彼の活躍は噂に聞くほどだった。
「そういう東君こそいつもここに来てるね」
私は彼の座っていたベンチに座る。
別に隣に座る必要もないのだけど、暇だし雑談ぐらいはしてもいい。
「あのオーラというか、雰囲気に耐えられるかよ。皆、俺達が必死になって面接の練習していた頃にはのほほんしていたのにな。いざ、自分の時になると邪魔者扱いだ」
肩をすくめてそう言った彼だが、顔は怒ってはいない。
杏いわく、崇弘は怒ったりする事がめったにない優しい人らしい。
私も彼が怒っている姿は見た事がない。
穏やかな性格、というわけでもないけれどしっかりしているんだと思う。
「そういや、奥村はどうしてあの西崎高校にいくんだ?別にスポーツ推薦じゃなくても、奥村の頭ならもっと良いところいけただろう?」
「それは……まぁ、いろいろとね」
確かに受験をすればもう一つ上のランクの陽砂高校へはいけるだろう。
しかし、私はそうしなかった。
理由は私がスポーツが大好きだから。
陽砂高校はどちらかといえば進学校でスポーツ系の部活はいまいちだった。
それに比べて、西崎高校にはインターハイ出場など活発な部活が多い。
自分の好きな高校を選んだ、それだけの理由だった。
「スポーツが好きだから。やっぱりそういう意味で西崎高校はいいよね」
「奥村らしい答えだな。俺なんか、頭悪いから推薦以外の道がないギリギリコースを走っていたからさ。これがダメならさよならだった」
「それって自業自得じゃないの。杏に勉強を教えてもらえばいいのに」
杏は私よりも頭はいいし、教え方もうまい。
そんな彼女を幼馴染に持ちながらも上手く活用できていない崇弘。
あえて、杏に頼ろうとしていないだけかもしれない。
「別に頭が悪くても生きてけるしな。俺はスポーツバカでいいし」
「そういうのって、東君らしい答えね」
その杏も今は私達と同じ西崎高校を目指して頑張っている。
彼の言う、もっと上の学校を目指せるレベルなのにもかかわらず、だ。
理由は言わなくてもわかる、私とは違う女の子らしいワケ。
大好きな崇弘と一緒にいたい、という理由に違いはないと思う。
本人は恥ずかしがって認めないけれど、それ以外に理由がないもの。
それから私達はしばらく雑談をしていた。
屋上はいつもよりも冷えた空気のせいで、肌寒い……真冬に外にでるものじゃないなぁ。
「……なぁ、奥村。聞いてもいいかな」
適当な話題で盛り上がっていたら、彼が真面目な表情で私を見る。
ふいに彼が黙り込んだと思えば、こちらを伺うような口調で話しかけてきた。
「奥村は……今、付き合ってる人っているか?」
「付き合ってる?ううん、いないけど。それがどうかしたの?」
残念ながら、私は首を横に振る。
私は告白はされた事はあるけれど、誰かと恋人になった事はない。
恋って何だろう?とか、そんなレベルの問題ではなく本当に好きな相手がいないだけ。
……私自身、恋愛なんてキャラじゃないのもあるけれど。
「そうか。奥村は好きな奴がいないのか、意外だな」
「いないよ。だって、好きな人がいないんだもの。」
好きになった人は今までいるけれど、恋人にはならなかった。
だから恋人という言葉は私にとって縁が遠い言葉だ。
「……奥村、華鈴」
彼が私の名前をフルネームで呼ぶと、私の顔に彼の顔が急に近づく。
崇弘の瞳に私の顔が映ることにドキドキ心臓が鼓動する。
あ、本当に映るんだってなんとなく思っていたら、私は突然、彼に唇を奪われた。
「……んぅっ!?」
それは本当に突然の出来事で、私はその行為を息する事も忘れてただ受け入れていた。
柔らかくて、何だか心をぎゅってされる心地よさ。
彼が唇を離して、数秒後、私は自分のされた行為を理解する。
「な、なっ……何すんのよ!?」
私は彼を睨み付けるように見たけれど、彼は先ほどと何も変わらない落ち着いた声で、
「奥村って、意外に可愛いんだな」
そう言い残してその場を去り行く彼。
キスされた余韻に私はドキドキが収まらない。
残された私は自分の現状を理解することで精一杯だった。
いきなり崇弘にキスされた……どうして私にキスなんて?
それも、こんな場所でされるとは思いもしなかったし、彼が私にそんな事をする理由もわからない。
「……よく言うキス魔とかじゃないよね?東君ってあんなキャラだったっけ」
彼に限ってそんな程度の低い事をするとは思えない。
ということは、考えられるのは1つだけで。V26Ⅳ美白美肌速効
私はその考えに自分の顔がイチゴのように赤くなるのが分かった。
「え?ええ!?東君が……私の事好き?好き……なのかな?」
どう考えてもそういう結論しかでなくて。
あの人には杏がいるじゃない、とか、どうして私の事をそう思ってるんだろ、とか考えれば考えるほど深みにはまっていく感じ。
別に彼の事は嫌いじゃないし、そういう関係になっても……いや、ダメでしょう。
杏が彼を好きなのは明白、それを裏切る事なんて言語道断。
キスされた事に動揺してしまい、私は冷静に考えられないでいた。
……それでも、唇に残る感触に心地よさは感じているのはなぜ?
私はただ自分の唇に触れて先ほどの感触を思い出していた。
翌日、私は崇弘を呼び出して、昨日の真意を尋ねてみた。
昨日のように屋上に呼び出すと彼はすんなりとそれに応じる。
「昨日、どうして……その……してきたの?」
ものすごい緊張感、僅かな期待を抱いてる自分。
顔が赤くなるのが自分でも分かっている。
だけど、彼の口から出たのは……想像もしていなかった一言。
「……別に。ただ、からかってしてみただけだ」
そんな悪びれた言葉と態度、彼にとっては冗談でした事でしかない。
何かを期待していた私はただのバカ。
「……嘘でしょ?」
「特に理由なんてなかったんだよ。しいて言うなら、お前の唇が誘ってた、かな」
もちろん、私は崇弘に怒りを感じた。
そんな理由で私の初めてのキスを奪われた。
別に初めてにこだわりはないからいいけれど、すごく嫌な思い出になってしまった。
「ふざけないでよッ!」
無意識に私の手が彼の頬を叩いていた。
「……ぐっ……痛いな。本気で殴るなよ、こんなの軽い冗談だろ」
崇弘はおどけた様子で私の方を見ている。
「……うるさい、うるさい!……アンタなんか大嫌いだぁ!!」
この日から私達の仲は極端に悪くなった。
口喧嘩ばっかりしてる私達に杏は疑問を感じたのか、何度か尋ねられたけれど、真実を話すわけにもいかなくて、適当な理由でごまかした。
彼がどうしてあんな事をしたのか、本当の理由はわからない。
だけど、私は彼を許すつもりはないし、その理由を知りたいとも思わない。
でも……あのキスの瞬間は少しだけ胸の鼓動が高まっていたのも事実としてあった。 男根増長素
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