2014年3月17日星期一

初めての誕生日

二月十四日といえばバレンタインだなぁって思うのが普通だと思う。
私の場合はそうじゃない。
バレンタイン以外にも大事なことがあるのよ。
そう。
紫苑と両想いになってから初めての紫苑の誕生日。花痴
十九回目の誕生日。
まだ二十歳にならないとか落ち込みそうなんだけど気にしちゃ負けよね。
未成年に手を出してる罪悪感はあるけど合意の上。
ちゃんとわかってて紫苑の想いに応えたのは私。
仕事だったらこんなに悩まないのに紫苑のことになると悔しいくらい悩んでる。
そのくらい私は紫苑に溺れていて、紫苑から抜け出せそうもない。
言うと調子にのるから言わないけどね。
十代の男の子が欲しいものなんてわからないし、何が欲しい?って聞いたら、案の定、お約束の回答しか返ってこなかったわ。
バカ紫苑!何てこと言うのよ!
だから紫苑の希望は無視。
十三日の夜から十四日は大雪で天候が荒れるってニュースで聞いてたから紫苑に十三日の夜から来てもらって十四日は一日ゆっくり過ごすことにしたの。
バレンタインに休暇なんて、同僚に冷やかされて恥ずかしかったけど、こんなときくらいしか有給休暇なんて取らないから、冷やかしなんて我慢我慢。
昨日の夜、うちの家に嬉しそうにやってきた紫苑を迎え入れて、一緒にご飯を食べて、珍しく一緒にお風呂に入って、のんびりティータイム。
柚月は珍しく和月とお泊りデートに出かけたのよ。
私と同じで外泊があまり好きじゃない柚月にしては珍しい。
いつもお店にいるか家にいるかのどっちかなのにね。
良くも悪くも紫苑と二人っきり。
甘い雰囲気にならないわけがないのよね。

「葉月」
「ん」

紫苑が私の耳元で甘く囁いてくると耳の中を舌でくすぐってくるの。
くちゅくちゅ鳴る音がダイレクトに聞こえてきて恥ずかしいったら!

「あんっ、紫苑っ」
「なに?」
「ここ、嫌、なんだけど」

みんながいつもいるリビングでするのはできるだけ避けたい。
一度だけ暴走した紫苑にリビングで襲われたことがあるけど、いつ誰が帰ってくるかわからなくて生きた心地がしなかった。
今日は紫苑と私だけとわかっていてもちょっと、ね。

「部屋ならいい?」
「う、うん」

にこっと綺麗に笑った紫苑の顔にどきっとする。
本当に綺麗な顔よねー。
けーちゃんに似なくてよかった!
けーちゃんが格好悪いわけじゃないのよ。
精悍な顔つきしてて男らしいんだけど、私の心には響いてこない。
ドキドキしないもん。
けーちゃんは優しいけどちょっと違うのよ。
うまく言えないけど、けーちゃんの優しさの源って紫乃ちゃんだから私だけのものじゃないし。
やっぱり好きになってもらうなら私だけを見てほしいって思う。
執着するのは篠宮の運命(さだめ)、かな。
紫苑は確かに優しいけど俺様だしね。
見た目で騙してる!
優しそうな顔をして俺様とかありえないし!
でもそんな紫苑でも好きなの。
悔しいくらいに好きだわ。
紫苑とキスをしながらベッドに雪崩れ込めば外の雪も溶かすくらいに愛し合う。
珍しく素直になれば紫苑には笑われるし。
だってこんな日くらいしか素直になれないわ。私。
一回戦目が終わったあとのまったりタイムに紫苑にお願いをしたの。

「ねぇ。紫苑」
「なに?」
「今日のえっち、あんまり激しくしないで」
「どうして?」
「明日、紫苑にいろいろしてあげたいから」
「葉月がそんなこと言うなんて珍しい」
「失礼ねっ!私だって紫苑にいろいろしてあげたいもの」福源春
「ありがと」

私の目元にちゅっとキスをしてくると紫苑が二回戦目に突入。
私の体を貪ってくるんだけど約束どおり軽めでしてくれた、はずだったんだけどねー。
日付が変わると同時に紫苑におめでとうを言ってキスをしてあげたら、にやりと笑った紫苑が止まらないのなんの。
十四日になったんだからいいよなって屁理屈を言って困ったわ。
こういうところはまだまだ子供よね。

「俺の誕生日だし」
「だ、から、って!あっ、ぁぁんっ」
「葉月、葉月っ」
「ぁっ、し、紫苑っ、紫苑、ぁ!き、もち、いっ!」
「んっ」

雪で冷える夜は人肌が恋しくて、いつも以上に紫苑を求めたら紫苑も嬉しそうで、私まで調子にのったのは反省。
五個入りのゴムの箱が空になってふた箱目を開けようとした瞬間にストップ!
そろそろ眠りたい、かも。
明日はチョコレートのケーキを作って、紫苑の誕生日を祝いたい。

「紫苑ー」
「やだ」
「やだじゃないでしょ」

私の中に留まったままの紫苑が強引に私の体を揺すって快楽の海へと落とそうとする。
ぐっと堪えて、紫苑の顔に手を這わせて髪を撫でれば、はぁと紫苑が切ない吐息を吐くの。
なんだか私が悪いみたいじゃない。
渋々紫苑が私の中から出て行くと私の胸に顔を埋めてすりすりと擦り寄って甘えてくる。
紫苑の柔らかい髪が私の素肌をくすぐってむずむずするわ。

「明日は一日このままだから」
「いやいや。お祝いのケーキ作りたいし」
「ケーキより葉月の- 「私が作りたいのっ」
「俺の誕生日だから主役は俺だろ?」
「そうだけど、いろいろしてあげたいって言ったでしょ?」
「それなら俺と一日中繋がってくれればいいから」
「あのねー」

えっちするだけが愛情じゃないと思うのよね。
紫苑はちょうど精力的な年齢ごろだし、そういうのに興味があるというのもわからないでもないんだけど、それだと体だけが目当てみたいじゃない。
それにプレゼントが私とか紫苑の希望どおりになっちゃうから阻止したいところ。

「せっかくお邪魔虫がいないんだし、今日一日、葉月に甘えてやるからな」
「それはいいんだけど」
「だったら問題ないだろ」
「大ありだってば。甘えてくれるのはいいけど、えっちは夜だけにしよ?」
「やだ」

私的にはリビングのソファで寄り添ってテレビ見ながらぼんやりしたいわけよ。
たまにちゅちゅキスしてじゃれ合ったりしてさ。
そういうのを夢見ているのに朝から晩までえっちとかどんだけなの。

「葉月が足りない」
「私はお腹がいっぱいデス」

正直なところ私は紫苑でお腹がいっぱい。
若い紫苑とは違うのよ!
体力が足りない!
紫苑は息が絶え絶えな私をぎりぎりまで追い詰めて狂わせるのがお好みみたい。
ヘンタイって言ったらそれはそれは綺麗に笑われたっけ。
地雷中の地雷だったらしくて、紫苑の変なスイッチ押しちゃったのよね。
隠し持ってた大人のおもちゃで散々いじめられて、あのときは、まぁ、うん。
すごかった。
気持ちいいとおり過ごして気が狂うってこういうことなんだって知ったもん。
人間ずっとイかされっぱなしになると中毒みたいになるのよ。
知ったどころで誰にでも言えるわけじゃないけど。
指を握られただけで軽くイっちゃうとかやばかった。
元に戻るまでに三日くらいかかったかなぁ。
職場でも極力人に近寄らないようにして、いつもは地下鉄通勤なのに、自転車通勤に切り替えて、あーもー紫苑のせいで大変だったー。
あのときの二の舞だけにはならないようにって気をつけてる、つもり。
あんなのまた体験したら今度こそ本気で普通ではいられなくなりそうだし。
胸元に唇を寄せて強く吸いついている紫苑の頭を無理矢理ぎゅっと抱き締めると睡眠強行突破。勃動力三体牛鞭
もう空が白くなってきたじゃない。
雪のせいで眩しいわ。
いくら休暇とはいえ、街がどうなってるのか気になるし。
一眠りしたらテレビでも見よう。そうしよう。うん。
目を閉じたらどっと疲れが押し寄せてきたの。
ああ。ものすごく疲れた。
何もする気になれないけど、意地でもケーキだけは作るわ。
眠って起きたらケーキを作ってお祝いをして、仕方ないから紫苑に付き合ってあげようかな。
大抵私も紫苑には甘いのよ。
惚れた弱みってとこかしらね。
暖かい紫苑を抱き直すと私は眠りの淵へ落ちた。
ゆらゆらとまどろみを漂っているとどさっという音で目が覚める。
雪が上から落ちてきてるみたいね。
私の体に長い手足を絡ませている紫苑は私の胸に顔を押しつけて幸せそうに眠っている。
紫苑だって疲れてるはずなんだけど。
体力バケモノすぎ。
起きる気配のない紫苑にキスをひとつしてベッドをそっと抜け出すとバスルームへ。
熱いシャワーが気持ちいい。
鏡に映る体を見てため息。
体のいたるところに痕がついていて鎖骨の上は紫色になってて怖いわ。
紫苑の執念みたいでちょっと身震い。
私も同じだけ紫苑に痕をつけてみたんだけどさっき見た限りでは目立つほど痕は残っていなかった。
悔しいからあとでつけてみよっと。
ほっと落ち着いたところでシンプルなもこもこのワンピースに着替えてケーキ作り。
柚月直伝のチョコレートケーキだから失敗はしない、はず。
生地を作って型に流し込めばあとは焼けるのを待つだけ。
待っている間にお昼の準備。
ジャガイモのスープにでもしようかしらと思っているとスマホにメールが着信してたの。
送信先は柚月。
雪で帰れないから日曜の夜になるって。
『雪で帰れない』んじゃなくて、足腰立たないから帰れないの間違いじゃないのかと疑ってしまう。
うーん。
私も大分汚染されてきてるよね。
考えがピンク色っぽい。
ジャガイモのスープにサーモンのマリネ、若鶏の香草焼き、チョコレートケーキを用意して出来上がり。
柚月が作り置きしているパンをレンチンすればあとは紫苑が起きてくるのを待つだけ。
起こしに行く前に起きてきたんだけどね。
すっごい不機嫌なの。

「起きたら葉月がいなかった」
「いたらイタズラするでしょうが」
「当たり前だろ。抱く予定だったのに」

むぅっとしている紫苑にため息つきそう。
子供かアンタは、とつっこみそうになる。
拗ねる紫苑にキスをすれば紫苑の舌が私の口の中に無理矢理入ってきて堪能中。
幸せそうな顔しちゃって。

「んふぅ」

なんか負けっぱなしも嫌よね。
渾身の力で紫苑をひっぺがして首筋をねっとり舐めてやったの。

「ん」

色っぽい声出されてどきっとするけど無視!
舐めたり吸いついたりしてたら紫苑が私の体を弄ってきて、油断したところで、がぶっ!と噛みついてやったの。

「くっ」

痕が残るくらいキリキリ噛んだらちょっと血が滲んじゃった。
私の体中の痕というか痣に比べたらマシ!
ふふんと笑えば紫苑がにやりとするの。
あー。ヤバイ?スイッチ入ったかも。

「葉月。イタズラはだめだろ?」
「そう?」
「舐めて」
「あとで、ね」
「今すぐ」
「ご飯食べよ?」

スイッチが入ってたけど強制シャットダウン。
にっこり笑えば紫苑も渋々付き合ってくれるからね。
普段怒ってばっかだとたまに見せる笑顔にキュンとするらしい。
なんだかちょっと複雑な心境だけど、ま、いいか。
なんだかんだ言っても紫苑もまだまだ育ち盛り。
食べに食べてケーキも半分平らげた。
気持ち悪くならないのかしら?蒼蝿水

「葉月とえっちしてすると頭も使うらしい」

恥ずかしいことを真顔で言うな!
けろっとしている俺様は誕生日だからとあれこれ要求してくる。
半分以上却下よ!却下!
裸エプロンとかふざけんなバカ!
お腹がいっぱいになった紫苑は体力全快。
ありえない。
とりあえず、紫苑をバスルームに放り込んでほっと一息。
ソファに座ってテーブルの上に置いた紙袋を見れば気持ちが落ち着かない。
紫苑への誕生日のプレゼントは時計。
シンプルで安いやつだけどね。
前に紫苑がいいなって言ってたやつ。
和月に探りをいれてもらったから紫苑は持ってない、はず。
あとは生チョコ。
本命チョコだったりする。
有名なチョコレート専門店の一口生チョコ。
一粒五百円もするのよ。
私にしては奮発。
あとで紫苑に一個味見させてもらう予定。
人気のチョコらしいから話のネタに私も食べてみたい。

「葉月?」

ぼんやりしてたら紫苑がお風呂から上がったみたいでほこほこと暖かそうな湯気を立たせている。
湯気も立たせるいい男?
私の隣に座ると首筋に顔を埋めてごろごろ甘えて私と同じ匂いを漂わせている。
同じ匂いなはずなのに紫苑の体臭と混ざって微妙に違うよね。
頭を撫でてあげるとさっきのお返しとばかりに私の首筋に甘噛み。
かぷかぷされてくすぐったいったら!

「紫苑っ」
「んー」
「んー。じゃなくて、プレゼントっ」
「葉月をくれるの?」
「そうじゃなくて」

まだ言うのか!
ちゃんとこのあと付き合ってあげるからプレゼントくらいちゃんともらってよね。
テーブルの上に置いておいた紙袋を紫苑に手渡すと嬉しそう。

「ありがと」
「どういたしまして」
「あけていい?」
「どうぞ」

赤にゴールドのリボンのかかった箱は時計。
箱を開けると紫苑は驚いたような顔をしてすぐに笑みを浮かべて私にキスをひとつ。

「覚えてたんだ」
「うん」

自分の欲しいものを好きな人に覚えてもらってるのって嬉しいよね。
もうひとつはチョコ。
さっきもチョコレートケーキ食べたけどあれは誕生日のケーキね。
こっちは恋愛チョコ。
中から濃厚な生クリームが溢れてくる。
洋酒バージョンもあるんだけどそれは来年までお預け、ね。SEX DROPS

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