2014年8月15日星期五

エリザベスと魔力の指輪

大量のMPは回復アップも相まってみるみる回復していく。きちんと計算してみたら、毎時224MPが回復する計算になった。これなら魔法が使い放題だ。治療院が片付いたら、また城壁の防衛のほうに顔をだしてみようか。修復した城壁も気になることだし。狼1号

 仮面をつけて部屋を出ようとするとエリザベスはもう寝ていた。来る途中も少し眠そうにしてたものな。それでふと思いついた。いまつけてる魔力の指輪、エリザベスに渡したらどうだろう。これを外してもMPが1000減る程度だ。5000が4000になってもあんまり変わらない。魔法を覚えたのをこいつのせいにしてもいいな。神様からもらった指輪だし、きっとご利益があるだろう。

 神殿ホールはまた怪我人でいっぱいだ。ダニーロ殿がすぐにこっちを見つけてやってきた。

「ああ!無事でよかったです。シスターアンジェラに聞いたら城壁に行ったと聞いたので心配しておりましたよ」

「すいません。でもどうしても必要だったもので。それよりも、エリアヒールをかけますので怪我人を集めてもらえますか?」

「はい、すぐに」

「あ、シスターアンジェラはいまどこに?」

「それなら治療室か隣の休憩室にいるはずです」

 治療室の隣を覗くと、アンジェラと司祭様がお茶を飲んで休憩していた。

「あ、マ……じゃなくて」

「旅の神官」

「そうそう。旅の神官。それで大丈夫だったの?」

「うん。エリザベスは部屋で寝た。サティはまだ城壁だけど軍曹どのがついてるから」

「そう。あっちは厳しいの?」

「わからない。峠は超えたと思うけど、まだまだすごい数だ」

 城壁で守られて有利だとしてもモンスターの数は圧倒的だった。こちらが1人に対して10や20じゃきかない数がいた。モンスターは次から次へと湧いて出てくるのにこちらは徐々に数を減らしていく。王国軍が来るという時間まであと3日。果たしてもつんだろうか。

 アンジェラと話していると、ダニーロ殿に呼ばれ、エリアヒールをかける。これで治癒術士達も一息つけるはずだ。

「2時間後くらいにまたエリアヒールが使えるようになります。それまで部屋で休んでいますね」

「朝食はどうしますか?」

「さっき食べたので。アンジェラはどうする?」

「まだしばらく司祭様とこっちにいるよ。2時間はそっちに戻らないからゆっくりするといいよ」

 そう言ってニヤニヤと笑う。

「いやいや。エリザベス爆睡してるから。何にもないから」

「そお?」

「そうだよ。じゃあまたあとでね」

 2時間ごときで何をしろというのだ。それにエリザベスは寝起き悪いし。

 だが珍しくエリザベスが起きており、見てるとふらふらしながらトイレに歩いて行った。戻ってきたエリザベスに熱いマギ茶を手渡す。

「あら、ありがとう」

 そう言ってテーブルにつき、お茶をちびちびと飲む。

「治療はもういいの?」

「うん、2時間ほど休憩」

「じゃあじっくり話ができるわね。さっきの話の続きをしましょうか」

 まだ忘れてなかったか。

「詠唱教えてくれるの?」

「違うわよ!マサルの魔法の習得速度が異常って話よ。会った時とか別に使えるのを隠してたわけじゃないんでしょう?」

「まさか。あの時はほんとに風も水も土も覚えてなかった。それにティリカちゃんがいたから嘘はつけないよ」

「それもそうね。それで?」

 はめていた指輪を外し、エリザベスに手渡す。

「この指輪がどうかしたの?」

 そう言って指輪をじっくりと眺める。

「それ、エリザベスに貸すよ」

「普通、ここはくれるところじゃないの?それにちょっと地味ね」

「それ魔力の指輪って言って魔力量と回復速度があがる指輪なんだ。おれは魔力も多いしそれほど必要がないんでエリザベスにどうかなって」

「へえ。魔力が上がる魔道具ってすごく高いのよ。よくそんなの持ってたわね」

「貰い物なんだ。だから貸すだけね」

「そういうことならありがたく借りておくわ」

 エリザベスが指輪を薬指にはめる。sex drops 小情人

「うーん、さすがにつけただけじゃよくわからないわね。効果はどれくらいなの?」

「魔力が10割増えて、回復量も同じだけ増える」

「え?よく聞こえなかったわ。10割って言ってたように聞こえたけど……」

「10割って言ったよ。魔力量が倍になるんだよ」

「嘘でしょう?そんなの聞いたこともないわ……」

「ティリカちゃんの前で誓ってもいいよ。それにこのままつけて明日試せばわかるだろう?」

「そうね」

 そう言って、エリザベスはじっくりと指輪を見る。

「本当に倍だとしたら、伝説級アーティファクトの魔道具じゃない……」

「そんなにすごいの?」

「すごいなんてもんじゃないわよ!こんなの持ってるって知れたら命を狙われるわよ!」

 そう言うと、急にあたりをキョロキョロと見渡した。

「これ持ってるの他に誰か知ってる?」と、小声で言う。

「エリザベス以外知らないかな。アンジェラとサティも知らないし」

「今後これのことは一切口に出しちゃだめよ。いいわね」

「うん」

 よく考えたらエリザベスにだけ指輪を贈って2人に何もないっていうのはすごくまずい気がしてきた。絶対に口外しないようにしよう。

「でも呆れたわね。価値も知らないで持ってるなんて」

「どれくらいで売れるかな?」

「売れないわよ」

「ええー」

「値段なんかつけられないの。いいこと?私が知ってる魔力が増える魔道具で一番すごいのが、帝国王室に伝わる魔力の腕輪ね。5割は増えるって聞いたわ。それでも王家の家宝で代々の王に受け継がれるようなものよ。値段なんてつけられるものじゃないわ。それよりすごいとなると……」

 さすがに神様がくれた指輪だ。性能が飛び抜けてる。

「ねえ。本当にこれ借りてもいいの?」

「エリザベス、うちのパーティーに入ってくれるんだろう?だったらおれがつけてるより戦力アップになると思ったんだけど」

「そうね。そういうことなら」

 エリザベスは指輪を見て考え込んでる。

「貰ったって言ってたわね。どこから手に入れたの?」

 野うさぎ狩って神様にもらった。そんなことはもちろん言えない。勇者の物語では、勇者だとばれた勇者の末路は魔王との命をかけた死闘。そんなのはまっぴらごめんだ。

「えーと。そのことはいずれ話すってことで、今はちょっと」

「いいわ。これだけの指輪だもの。軽々しく話せないのはわかるわ。いずれってことにしておいてあげる」

 よしよし、うまく誤魔化せたな。

「それで魔法の方は?」

 誤魔化せてなかったよ!

「ええと。その指輪」

「この指輪が?」

「魔力が倍になるだろ?つまり魔法の練習も倍できるわけだ」

 練習なんかほとんどしてないけど。

「それにそれを付けてると魔法の習得が早くなる気がする。こっちのほうは確証はないけど」

 いまぱっと思いついた理由だけど。曲美

「そうね。倍の魔力があればきっと……それに伝説級の魔道具だもの。何か追加効果があってもおかしくないわね……」

 今度こそ誤魔化せそうだ!

「それでも1ヶ月で中級魔法3つって言うのは……ほんとにマサルが天才ってことなのかしら?」

「うん、きっとそうなんだよ」

「とりあえず寝直すわ。マサルも一緒に寝る?」

「え?いいの。じゃあ一緒に寝ようかな」

「こんな素敵なエンゲージリングをくれたんだもの。ちょっとくらいはサービスしなきゃね」

「いやいや、あげてないから。貸すだけだから」

「ずっと借りてれば一緒よね。それに夫婦になるんだから、夫のものは妻のものでもあるのよ」

 鎧を脱いでエリザベスの横に入り込む。

「じゃあその妻は夫に何をサービスしてくれるの?」

「そうね。こんなのはどうかしら」

 そう言って、エリザベスが顔を近寄せてきた。たっぷりと口づけをかわす。

「昨日は途中で寝ちゃうんだものな」

「仕方ないじゃない。魔力を使い切るとすっごく眠いのよ」

 そう言うとあくびをして目をつむった。

「え?もう寝ちゃうの?」

「サービスは今ので終わりよ。寝てる間に変なことしちゃだめだからね」

 そう言うと速攻でくーくーと寝息を立て始めた。

 はぁ~。おれもちょっと寝ておこう。かなり眠くなってきたし。

 おやすみエリザベス。そう呟いておでこにキスをし、幸せそうに寝ているエリザベスの顔を見ながら眠りについた。

 目を覚ますとアンジェラがいた。

「おはよう、マサル」

 うわ。お昼過ぎてるじゃないか。時計を確認して驚いた。

「治療院の方はどうなってる?」

「マサルが部屋に行ってすぐくらいに、他の町から冒険者の応援がたくさん来たんだ。治癒術士も3人も来たんだよ」

 ほっと胸をなでおろす。おれたちが来た時も砦の人たちはこんな気持だったんだろうか。王国軍が来るまであと3日。今日と明日と明後日。なんとか耐えきれればいいんだ。

「お昼にしようか。もらってくるからエリーを起こしておいてよ」K-Y

「わかった」

 アンジェラが運んできてくれた昼食を3人で食べる。エリザベスが時々手元を見てニマニマする。おい、それ秘密じゃないのかよ。すごい不審なんだけど。

 案の定アンジェラから突っ込みが入った。

「どうしたのその指輪。今までしてなかったよね」

 さっそくばれたじゃないか!そして助けを求めるようにこっちを見るエリザベス。それを見てアンジェラがこちらに矛先を向ける。

「そういえば同じような指輪をマサルがしてたわね」

 考えてみればおれがしていた指輪をエリザベスがしていたら、その点は隠し様がないな。

「ああ、うん。それ魔力の指輪って言ってね。エリザベス、パーティーに入ることになっただろ。それで少しでも戦力増強になればって」

「そうなのよ。エンゲージリングとかそういうのじゃないのよ?それに借りてるだけなの」

「ちょっと高価な品らしいから持ってるのは誰にも言わないでね」

「そうね。魔道具だったら持ってるとか言わないほうがいいね」

「そうそう。やたらと言うわけにもいかないし。そのうち言おうと思ってたのよ」

「でも指輪か。いいわね」

「あー、町に戻ったらきっとね」

「魔道具なんて贅沢は言わないよ。安いのでいいからね」

「うん、約束する」

 サティにも買ってやろう。でもどういうのがいいんだろう。あとで既婚者の司祭様にでも聞いてみるか。

 昼食後、ベッドで寝転び、本を読むふりをしてステータスをチェックする。

 最大MPはまだ4000以上ある。回復速度は24時間で満タンとして174毎時で十分な数値だろう。高速詠唱やMP回復力アップなど、魔法関連のスキルはあらかた最高レベルまで取った。魔力感知は……どうなんだろう?上げる意味がわからない。探知系みたいに遠くから魔法使いの動きがわかるとか?うん、いらなさそう。SPANISCHE FLIEGE D5

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