2012年11月19日星期一

本日は晴天なり

「ふん、ふ~ん♪」っと鼻歌をしながら、俺はゴソゴソと牛革で出来たトランクケースに荷物を入れていた。
「それじゃ最終チェック開始っと。米よ~し。赤と白味噌よ~し。醤油よ~し。----……」
 二リットルペットボトルに入れた米や密封容器に入れた味噌等を鞄に入れた事を指で確認していた。V26即効ダイエット
「着替え、よ~し。……以上かな」
 別に旅行に行く準備ではない。釣りに行く準備だ。
「ロッドケース、クーラーボックス、タックルボックス、ゴムボートっと! 準備万端。後は、綾香さんに出発の報告とお弁当を貰おう。……と?」
 俺は二〇〇キログラムまで耐えれるキャリーカートにクーラー等をくくり付けていると、「コンコン」とドアをノックされたので「どうぞ~」と返事をした。
 開いたドアの向こうに“年下の同級生”である岡山君が立っていた。
「白鷺さん。生徒会から呼び出しを受けましたよー。って何時もながら荷物が多いッすね? 米とか要るんですか?」
 俺は自分の疑問より先に岡山君の質問に答えた。
「基本的に用心の為だよ。
 昔、沖の磯で釣りをしていた時に、台風が急に進路を変えたせいで迎えの船が着岸出来なくて台風が去るまで過ごす羽目になってさ、その時に飯がなくて困ったのが教訓になったんだ。それ以来、荷物になっても食料を持って行く事にしてるのさ」
 俺の回答に「はー、大変だったすね」と同情した感じで肯いた。
 次に俺から質問した。
「ところで生徒会? 何のようかな、知ってる?」
 呼び出される用件が思い付かないので、呼びに来てくれた岡山君に聞いてみた。
「いや~、分からないです。すいません、力になれなくて。」
 謝る岡山君に対し「いや、こっちこそ無理言ってすまん」と頭を下げ、「じゃ、確かに連絡しましたから」といって岡山君は立ち去っていった。
 俺は部屋着のジャージから、ジーパンにYシャツとラフな格好をし、上から六つボタンのライフジャケットを着た。
「ふむ、生徒会から呼び出しなんてなんだろう?」
 と呟き、キャリーを引っ張りながら部屋を出た。
 寮の入り口横の管理人室に入っていった。
「失礼します。綾香さーん。二二七号室の白鷺です。出発の連絡と荷物受け取りに来ました~」
 俺は部屋の奥に居るであろう女性に声をかけた。
 部屋の奥のキッチンから見た目は二十代前半の女性が小包を抱えて出てきた。
 男子寮のアイドル? の『藤澤 綾香(ふじさわ あやか)』さん。
 たれ目で泣きホクロがチャームポイントで、顔に皺が無く、とても若く見えた。
 実際の年齢は五十代前半で、OB・OGが多い教師達も頭が上がらない存在である。
 ちなみに綾香さんの美貌は学園七不思議のひとつにも数えられている。……俺も入ってるけどな、七不思議。
「あ、白鷺君。もう出発するの? はい、お弁当。無理しないでね」
「いつもすみません。お土産期待しててください」
 俺は頭を下げると「いいのよ~」と頬に右手を当てながら左手でヒラヒラと手を振った。こういった仕草は年代を感じさせるが見た目が合っていない。
「お帰りは明日のお昼だったかしら?」
 俺は弁当袋を受け取りショルダーバックに入れ、代わりに計画が書かれた紙を取り出し渡した。
「はい、一応、計画表を渡しておきます」
 綾香さんは慣れた手つきでボードに紙を貼り、それを確認した俺は「失礼しました」っと部屋から出た。
 玄関に貼ってある部屋割りの名札表を『退出』に裏返し、寮を出た。
「じゃ、いってらっしゃ~い♪」
 綾香さんが後ろで手を振ってくれた。わざわざ外に出てきてくれたのか。……ああいう所が人気がでる秘訣なんだろうと心の中で呟いた。
 さて、先ずは生徒会室に寄りますか!
  ★  ★  ★  ★  ★
 普段ならそのまま学園の外に繋がる玄関方面に向かうのだが、生徒会から呼び出しを受けた為、校舎が建つ方向に足を向けた。
 季節は五月の終わりで少し暑くなってきた。週が明けた月曜からは衣替えで夏服を着ることになるだろう。
 寮から校舎までは徒歩十分程で、問題の生徒会は校舎ではなく独立した建物を持っている。仕事が多く、書類整理のために独立しているらしい。
 俺が通う『私立御堂学園』は全寮制で生徒全員が寮生活を送っている。生徒総数は三学年全体で四五一人。
 私立の割には授業料が国公立並に安い。
 まあ、理事長の爺さん曰く「半分は自己満足でやっているからの」と茶を飲みながら話していた。理事長の個人資産で運用されているらしい。
 『文武両道』が校訓だが、運動面はあまり厳しくない。その代わり学業の面では厳しく、テストで赤点を取るなどしたら即退学だ。留年などは存在しない。
 俺は例外中の例外だ。理由は伏せておくが、俺に悪い所は無く、まあ金持ちの思惑が動いている。既に卒業した俺より年上の先輩連中は理由を知っているが、同級生や後輩は理由を知らない。V26Ⅱ即効減肥サプリ
 おかげで怖がられたり、見下されたりしているが気にしていない。
 考え事をしている内に生徒会の館に到着だ。荷物を載せているキャリーごと建物の中に入った。
 建物に入って直にある『会長室』のドアをノックした。
 中から『どうぞお入りください』と女性の凛とした声が聞こえた。更紗の声だなっと頭の片隅で思いながら「失礼します」とドアを開け、中に入った。
 部屋の中には二つ机が有り、会長用と書かれた机の席に更紗が座っていた。
 どうやら先客が居るらしい。
 俺からみて左側のソファーに座っていた先客二人組を、目線だけを向け確認した。
 一人は知っているがもう一人は知らん。目線を前に戻し、声をだした。
「普通科 三年A組 白鷺 紅(しらさぎ こう)。生徒会に呼び出しありと連絡を受け、出頭しました。それで呼び出し理由は何でしょうか?」
 キザっぽい言い回しだが、何となくだ。去年の会長がこういった言い回しを好んでいたからな。
 俺から見て、右側のソファーに座っていた副会長の池山 真治(いけやま しんじ)が鼻を鳴らし、俺を睨みつけてきた。何時もながら喧嘩売ってんのかこいつは……。
「はん、どういうわけか留年できた無能者がのうのうと。呼び出しを受けたのだから制服で来んかっ!」
 うん。今回も百パー喧嘩を売っているな。
 今度はその横にいた一年生で書記の藤枝(ふじえだ) つばさ嬢が先輩の言葉に同調して文句を言ってきた。
「呼び出された理由は思いつかないのですか? あまり会長の手を煩(わずら)わせないで下さい」
 つばさ嬢は会長を尊敬しているらしく、誰に対してもこんな反応を示す。こいつも何時もの事だと思い聞き流す事にした。
 一通り形式どおりの反応をし終わったのを確認して座っていた生徒会長の御堂 更紗(みどう さらさ)が声をだした。
「突然の呼び出しに足を向けていただき、有難うございます。立ったままではなんですからお座りください」
 “ロ”の字に置かれたソファーで、生徒会メンバーと先に呼び出された二人が座った為、正面のソファーには更紗が座るだろうから、残っていた前のソファーに一人で座り、荷物もソファーの裏に置いた。
「さて、本来なら一人づつお声を掛けるべきでしたが、皆さんにも時間の都合があると思い、全員に集まってもらいました。
 先ずは料理部の部長として来てもらった天の川さん」
 席に座った更紗は開口一番に謝罪を述べ、次に左側に座っていた女子生徒・天の川 優姫に声をかけた。
「料理部が今年度予算で買ったオーブンが届いたそうですので受け取りのサインと設置に立ち会ってください。立会いの日時は明日の13時頃を予定しております。なにか都合が入っておりますか? 今なら変更がききますので」
 天の川さんは手帳を取り出し予定を確認し「大丈夫です」と答えた。
 それだけなら俺たちと一緒に呼び出さなくてもいいのでは? と思っていると、
「さて次の案件です。
 料理部が現在、他のクラブ――主に農業部と釣り部から食材提供を受けておりますが、来月から廃止を検討しています。理由ですが安全の確認が取れていない品を使うのはどうかとPTAから忠告を受けました。学校側は生徒会に一任すると言われております。多数決の結果、廃止を検討する事になりました」
 更紗は淡々と理由を述べているが結構重要なことだ。
 学校創設以来の決まり事を止めるということなんだからさ。
 天の川さんも困った様子で、
「急に言われても……。決まったんですか?」
 更紗が口を開こうとしたら、池山が先に口を開いた。
「学校側が生徒会に一任すると言い、我々が決定を下したのだから下っ端はそれに従え」
 ……相変わらず喧嘩を売るというか、空気を読まない奴である。
 天の川さんが「そんな……」と絶句している。
 可哀想だし、俺も当事者の一員だから反論した。
「決定といいますが、俺たち当事者に断わり無く言われてもねぇー。……話し合いが先じゃないんですか?」
「そう「ふん! 無能がしゃしゃり出るな!」……」
 更紗が口を開こうとしたら、池山が被せてきた。あー、殴りてー。
 俺は池山をとりあえず無視することにし、更紗に提言した。
「とりあえず農業部や釣り部も交えて話し合いをしませんか? 料理部にしても提供を受けない分、食材を買う予算を付けてもらわないと困るでしょうし。いくら生徒会でも部活連を無視して決定は下せないはずですが?」
 俺のセリフが正論の所為か、池山は舌打ちし、つばさ嬢は俺を睨んだ。……なぜ睨む。
「来週にも部活連を召集し、話し合いの場を持ちましょう。場合によっては予算を変更する必要もありますから」日本秀身堂救急箱
 更紗は一つ肯き、俺の提言を受け入れたようだ。
「それでは天の川さんは退出していただいて結構です。明日の事を忘れないで下さい。今日は有難うございました」
 天の川さんに頭を下げた。
 天の川さんも「わかりました」といい、立ち上がって退出しようとした。
 俺の横を通る時に小声で「有難うございます」といったので、俺は「いえいえ」と返した。部同士の助け合いは必要だからな。
 バタンとドアが閉まるのを確認し、次につばさ嬢が「秋山君」と残っていた男子生徒に声を掛けた。
 茶髪でバンダナとフィンガーグローブを着用して、少々うっとしい空気を醸し出している。
 学園(うち)の校則はゆるい方だが、髪を染めたりするのは禁止だったはず。
「秋山君。貴方を呼び出した理由ですが、前から言ってましたが服装と髪の毛を校則に沿って守ってください。来週までに直さない場合は停学も有りえるそうです」
 どうやら校則違反常習者らしい。一、二回の警告では停学までいかないはず。
 秋山と呼ばれた男子は強気に、
「停学にしたいんならすれば好いだろ! 俺は俺の意地を通す!」
 言っている事は格好いいが、膝が震えているぞ。見た目に反してチキンか?
 残りの生徒会連中からは見えないが、俺や更紗からは見えている。
 更紗は「ふぅ」と小さく一息入れた。
 どうやら、この件は後回しするみたいだな。
「秋山君。貴方については後で話し合いの場を設けましょう。退出せず待っていてください。先に白鷺さんについて話しましょう」
 やれやれ、やっと自分の番か。この様子だと碌でもない用件じゃないだろうな?
「白鷺さん。あなたに関しては……って、え!」
 クールな更紗にしては珍しく驚いているが、俺も驚いている。
 急に部屋が暗闇になったと思えば、次に白く光りだした。目を開けるのも辛い閃光だ。
「更紗!」
 咄嗟に俺は机を横に除けて更紗を引っ張り、左手で抱え、右手でソファーの後ろにあった荷物類を持った。
 ……光は徐々に薄れていき、視力の方も回復してきた。
 目に飛び込んできたのは、周りの壁が石造りをしており、見知らぬ部屋のようだ。
 腕の中には更紗がいるし、右手にはキャリーとロッドケースをちゃんと持っている。
 視力が完全に回復すると、目の前にいたローブを着た人間がいることに気づいた。
 敵かな? と、俺が警戒していると、ローブの後ろから金髪の美少女が出てきた声を掛けてきた。
「ようこそ、勇者殿! 我がエレン…シ……ア……ってあれ? 複数いないか?」
 凛とした声だったが最後は素っ頓狂な声をだした。
 ……勇者か。どうやら面倒な事になってきたぞ。簡約痩身

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