城だ。
わたしはその圧倒的で人工的な塊を呆然と見上げる。それは一般的なイメージの「城」とは全く違っていたけれど、確かに城だった。それ以外の何ものでもなかった。
表面は黒くつるつるとしていて、足場になりそうなものは何もない。形はといえば、床から生えた円錐の先端をつまんで軽く捻りあげたような──少なくとも対称性とは完全に無縁。D9 催情剤
「これが……」
わたしは知らずつぶやいていた。
「アルケナン・オ・アビシアの城──」
この地を目指して旅を始めてから、七年の月日が経っていた。
アルケナン・オ・アビシアとは、シシーヴァ大陸に伝わる伝説の魔王である。神々との戦いに幾度も打ち勝ったと言われるその強大な存在は、最後の戦いの後に城の中で永遠の眠りについたのだという。神々は魔王を殺すことはできなかったが、封じ込めることは可能だったということらしい。
とはいえ伝説は伝説――そもそも城の在り処さえ不明なのだから、伝説の真偽は確かめようもない。信心深いひとでさえ、魔王については半信半疑であることが多い。
それでも、わたしは信じた。
わたしが旅に出たのは十五歳のとき。いろいろあって――本当にいろいろあって、完全にひとりぼっちになったわたしは、何故かそのときこの伝説を思い出したのだ。
アルケナン・オ・アビシア。永遠の魔王。
城の壁に手を触れてみる。ひんやりとして冷たい。
「扉なんて、あるのかしら……」
わたしはつぶやく。扉があるのなら、魔王はそこから抜け出すこともできるだろう。城に閉じ込められている――つまり、出入り口などないと考えた方が良いかもしれない。
とっさに剣の柄に手を掛けて、わたしは苦笑した。剣の腕はひとなみ以上だという自負はあるけれど、まさかこの城に向かって歯がたつわけがない。魔術だって同じことだ。
けれど、この城に入らなければここまで来た意味がない。わたしは城を見に来たのではなく、魔王に会いに来たのだから。
「どうしよう」
ここに来ることだけを考えていたせいで、どうやって城の中に入るかまで考えが及ばなかったのだ。あまりにも初歩的なミス。
もう一度、城壁に手を伸ばした――そのとき。
「?!」
黒い手が、わたしの手首をつかんだ。そのまますごい力でわたしを引き寄せる。
「え……?」
手は壁から生えているように見える。むしろ壁の一部ですらあるような……。
――まあいいや。
わたしはふっと力を抜く。とたんに体が壁に勢い良くぶつかる――ことはなく――
「きゃあ!」
わたしはバランスを崩し、前方に転がった。床は柔らかなカーペットに覆われていて、ぶつけた膝もたいして痛くはない。
――もしかして、城の中に入れた?
わたしは顔を起こし、辺りを見回した。全体的にぼんやりと薄暗く、広い部屋にも関わらず、壁にかかった燭台だけが唯一の光源のようだ。窓はない。床に敷き詰められた赤いカーペット。向こうには重厚なつくりのテーブルセットが置かれているのが見えた。
玄関というふうには見えない。どちらかといえば……食堂?
わたしは立ち上がり、服の裾をはたいた。そういえば埃っぽくもかび臭くもない。もしかしたら魔術でメンテナンスされているのかもしれないけれど……。
「――おい」
「?!」
わたしは弾かれたように振り向いた。いつの間にか、背後にひとが佇んでいる。――いや、本当にひと、だろうか。
「何だお前。どっから入った」
「……え、いや。あの」
声から判断すると、まだ若い男のようだった。真っ黒な長い髪、同じ色の目――ただし顔の右上半分は不思議な形の仮面に覆われている。背が高くて、小柄なわたしを見下ろすその姿は恐ろしいほどの威厳にあふれていた。
「入ったっていうか……お城から手が生えて連れて来られたっていうか」
「名前は?」
「……フレデリカ・メルノー」
「フレデリカ、ね」
男はゆったりと腕を組んだ。彼のまとう服は一見どこにでもあるような黒っぽい地味なものだったけれど、縫製の跡がどこにもない。
「大体想像はついているだろうが――おれはこの城の主。お前たちはおれをこう呼んでいる――アルケナン・オ・アビシア、と」
わたしはぽつりとつぶやいた。
「あなたが、魔王……?」
皮肉っぽくつりあがった唇、斜に構えた眼差し。造形がいいからまだいいけれど、そうでなければただのちんぴらだ。そういえば裏の家のお姉ちゃんがこういうタイプの男のひとに騙されて痛い目にあっていたっけ。
「見えないんだけど……」
「うるせえな。見た目はどうでもいいんだよ、見た目は」
魔王はそれらしくない口調でつぶやき、わたしを無遠慮にじろじろと眺め回した。
「それにしてもこんな小娘がねえ……へえ……」
「?」
「まあいい。城の判断だからな」
良くわからないことをぶつぶつとつぶやいている。
「それで? おれに何か用か」
「えっと、魔王さん」
「その呼び方はやめろ。なんかむかつく」
「じゃ、じゃあアルケナン・オ・アビシュ……アビシア」
「そこで噛むなよ! ……ああもう」
魔王はわたしにびしりと人差し指をつきつけた。
「ジゼルだ。おれのことはジゼルって呼べ」
「ジゼル」
「さんくらい付けろ」
「ジゼルさん」
「よし」
魔王――ジゼルは満足げにうなずいた。
なに、このひと。
わたしはくすりと笑う。ほんとうにこのひとが伝説の魔王なのだろうか。まあ、違うとしても構わないけれど。
「ジゼルさん」
「何だ」
ジゼルはぱちりと指を鳴らした。床から突然ソファが生えてきて、彼はそれにどっかりと腰を下ろした。長い足をこれ見よがしに組む。
「お前も座れば?」
振り向くと、私の後ろにもソファが出現していた。おそるおそる、わたしはその柔らかなクッションに体を埋める。
「――あなたはどうしてこの城から出ないの?」
「…………」
ジゼルは少し黙り、わたしをじっと見つめた。
「伝説は知ってるんだろ?」
「あなたがここから出て来られない――ってやつね? わたし、そんなこと信じられないわ」
「何でだよ」
そのとき彼の表情を彩ったのは、確かに嘲笑だった。麻黄
「どこの世界でも、魔王ってのは神様に勝てないようにできてるんだ。そんなもんさ」
「でも、あなたは神々に打ち勝った。神々はあなたを滅ぼせなかった」
「…………」
「あなたは、ほんとうに魔王なの……?」
「…………」
ジゼルはふう、とため息をついた。
「そんなこと聞きにきたのか。おせっかいな小娘だ」
「フレデリカよ」
「それ聞いた」
また、前触れもなく床からテーブルが出現した。その上にはアフタヌーンティセットがふたつ。わたしは驚いてジゼルを見つめる。
「食っていいぞ」
「……う、うん」
わたしはそっとカップを手に取った。――まさか、魔王にお茶を勧められるとは思わなかった。
「この城はな。おれを閉じ込めてるわけじゃない」
ジゼルはスコーンをかじった。
「おれを守ってるんだ」
「……神々の追っ手から? それとも」
「すべてから、だよ」
ジゼルはそう言いながら、手を仮面に伸ばした。ゆっくりとそれを取り去る――。
「あ……」
思わず、声が洩れた。
仮面の下に隠れていた右目。それは光り輝く黄金の色だった。
「城がお前をここに入れたってことは、お前がおれに危害を加えるつもりなんてないってことだ。昔たくさんやってきた勇者とか英雄とかいうやつらとは違う――それにしたって、この城を探し出した努力と根性はたいしたものだがな」
「がんばったもの」
「……お前、変」
ジゼルの金の目が躍った。
「だが――悪くない」
わたしはカップを傾ける。何かの果実のお茶なのか、ふんわりと甘い香りが広がった。
「ひとつおとぎばなしを聞かせてやろう。くだらない話だがな」
ジゼルはぽつり、ぽつりと語り始めた。
――かつて、シシーヴァ大陸を支配していたのは人間とは違う別の種族だった。無限とも思われるほど強大な魔力を持つ彼らは、その金の目が由来となりゴルダ・アイと呼ばれた――それは自分たちで名乗ったのではない。名付けたのは、人間だった。
はじめ、人間たちはゴルダ・アイたちを神と崇めた――しかし人間たちの数が増えるにしたがって、ゴルダ・アイは迫害を受けるようになった。人間はシシーヴァ大陸の覇権を望んだのである。
ゴルダ・アイは生殖能力に優れず、個体数は少ない。そして、その魔力に反比例するかのようにその性質はひどく温厚で、争いを好まなかった。
やがて、ゴルダ・アイはシシーヴァ大陸を捨てた――。
わたしは瞬きを繰り返した。さすがのわたしにだってわかる。ジゼルはゴルダ・アイの血を引くのだ。間違いない。
「……じゃあ、何故あなたはここにいるの?」
「おれの目を良く見ろ。片方は金色だが、片方は黒いだろうが」
「え、ええ」
「混血だ」
「……コン、ケツ? 人間と……ゴルダ・アイの?」
「そう」
ジゼルは深くため息をついた。
「なんつうか……おれは半端だったんだな。純血のゴルダ・アイみたいに大陸を渡るほどの力はない。とはいえ人間に混じって生きることもできない。仕方がないからゴルダ・アイはおれにこの城をプレゼントしてくれた。おれに悪意を持つ者を自動的に避け、それでも向かってくるものは排除するシステムを」
「……えっと、じゃあ」
わたしの頭がようやくめぐり始める。
「わたしたちの伝説にある神々っていうのは、たぶん……」
「ゴルダ・アイ討伐に一役買った人間の部族長とか、その辺のことだろ」
ジゼルは行儀悪く膝に肘をつきながら答えた。
「じゃあ、あなたも……」
「魔王なんて威勢のいいもんじゃねえよ。人間どもからへいこら逃げてる、ただの腑抜け」
わたしは言葉を選びながら尋ねる。
「ずいぶん、長生きなのね?」
「城の副作用かなァ。おれ、これ以上老けねえんだわ。……不老不死ってやつか」
ジゼルは遠い目をした。わたしは胸元でぎゅっと拳を握る。
「さびしくない?」
「別に。慣れてるし」
あっけらかんとしたものだった。その乾いた口調に、逆にわたしの胸が痛む。
「そんな顔すんなよ。同情されるのは嫌いなんだ」老虎油
「同情じゃ……ない」
「そうか? ならいいけどさ」
「あのね、ジゼルさん……」
わたしは意を決して口を開いた。
「わたし――この城に住みたいの」
「へっ?」
ジゼルの手からカップが落ちる。それは床に液体をぶちまけることなく、音もなくカーペットへと吸い込まれていった。城の、魔術だ。
「い、いや、あのな」
「わたしね――」
わたしはジゼルに自分の身の上話を語った。それはもう、ここに記すこともできないほど壮絶な。ジゼルは徐々に顔を青ざめさせ、やがて掌で口元を覆った。
「お前……」
「そういうわけで」
わたしは肩をすくめる。
「ひとりになったわたしが思い出したのが、永遠の魔王の伝説だったというわけ」
――ひとりぼっちで城に棲み続ける魔王。さびしくないわけがないと思った。自分などよりももっともっとさびしいに違いないと……。
「それで、おれに会いに来たのか? 七年もかけて?」
「うん」
「……お前、やっぱり変だよ」
そういうジゼルの顔は穏やかだった。
「会ってみて、どうだ。幻滅したか」
「いいえ」
わたしは首を横に振る。――伝説の真実は意外だったけれど……、でも、何となくわたしは予想していたような気がした。この城を見つけるために各地の伝承を聞き回り、古文書の類も散々読み漁ってきたから。
「だからお願い。わたしをここに住まわせて」
「フレデリカ」
ジゼルは険しい顔でわたしの名前を呼んだ。
「お前、意味わかってるのか? ここじゃ時間は流れない。生殺しみたいなもんだ」
「生殺しだって半殺しよりはましだし、本当に殺されるよりはもっとまし。そうでしょう?」
「そりゃあ……。でもな」
ジゼルは真剣な眼差しでわたしを見ている。ああ、このひとはほんとうにわたしを心配しているんだな、と思った。不思議なものだ。まだ出会って間もない魔王が、こうしてわたしと正面から向き合ってくれているなんて。
「お前はまだ生きなきゃならないと、おれは思う」
「生きた結果があれでも?」
ジゼルの眼差しは揺らがなかった。
「そうだ。お前には……生きるための、世界があるんだから」
「……あなたには、ない?」
「ないよ」
ジゼルは投げやりに呟いた。わたしの眉が寄る。
「じゃあ、あなたにそんなこと言う権利なんてないじゃない」
「おれがお前をここに住まわせる義理の方がないだろうが」
「あなたがわたしといっしょに外に出るというのなら、出て行ってあげるわよ」
――それは、ふとした思い付きの言葉だった。けれどジゼルのあまりにも呆気にとられた表情を見ていて、いけるかもしれない、と思う。
魔王を連れて外へ出る――なかなか面白い。
「い、いや、おれは……」
「いいじゃない。目くらい眼帯とか眼鏡とかで何とか誤魔化せるわよ」
「魔力は……」
「ジゼルさんが制御すればいい話でしょ」
「え……でも……」
「わたしの目から見てもジゼルさんは人間とほとんど変わらない。気になるとすれば目だけよ。それさえ隠しちゃえばふつうに生きていけるわ」
「……別にそこまでして生きたくない」
ぶすっと答えるジゼルに、わたしは苦笑した。
「あなたが言ったのよ――『お前はまだ生きなきゃならない』って。まだ本当の意味で生きたこともないひとが言っていい台詞じゃないと思うわ」
「…………」
ジゼルは視線を落として黙り込んだ。
たっぷりの沈黙の後、おそるおそるといった様子で口を開く。
「生きて……いけるのか……」
「だいじょうぶ。わたしがあなたを守ってあげる」
わたしは自信たっぷりにうなずいた。
「大概のことは経験してきたもの」
「そりゃ心強い」
力なく笑うジゼルに、わたしは微笑む。
「でしょ?」
「しかし城が出してくれるかなあ」
「城は、あなたを守っているのよね」
わたしは考え考えしながら言った。
「だとしたら――世界があなたにとってまだ危険だということなら、きっと城は出してくれないと思う」
しかし、城はわたしを受け入れたのだ。そこにはきっと、意味がある。
「とりあえず試してみましょうよ。あなたも世界を見てみたくはない?」
その世界を支配しているのは、どうしようもない理由で聡明なゴルダ・アイを追い出してしまった人間たちだけれど、わたしもまたその人間のひとりだ。そのことを、わたしは忘れかけていたような気がする。魔王とその城を追いかけている間に、自分はもう人間ではないような気がしていた。
たしかに――まだ、わたしは生きなくちゃならない。
「ううん……」
唸る魔王に、わたしは手を差し伸べた。
「さあ」
さらさらと崩れていく黒い砂。風に舞い、まるで黒い霧であるかのようにたなびいた。それは、さっきまで城だったもの。ジゼルはそれを茫然と眺めている。威哥十鞭王
城はその役目を終えた。魔王を追い回す神々も勇者も、今はもうどこにもいない。すべては伝説の中だけで生きている。城もまた、同じ。
けれど魔王だけは違う。彼は伝説から飛び出して、これから現実の中を生きるのだ。なかなかに苛酷だけど、それでも捨てたものじゃない、そんな人生を。
「仮面じゃ目立つでしょ。はい」
わたしの渡したハンカチで、ジゼルは不器用に右目を隠す。
「お前……本当にむちゃくちゃだなあ」
「魔王様に言われたくないわ」
わたしはくるりと振り返る。ジゼルはぶすっとつぶやいた。
「魔王って言うな」
「じゃあ、ジゼル」
わざと「さん」を付けないで呼んでみる――彼はもはや言い直さなかった。
「……なあ、何でこんなことになってるんだ」
風に混じる呆れを含んだ低い声。わたしは振り向くことなく言い切った。
「なりゆきよ」
「なりゆき……って」
たまたま立ち寄った村がたまたま盗賊団の被害に悩んでいて、魔導師然とした旅人であるわたしたちが、たまたま討伐を依頼された。なりゆき以外の何ものでもない。
「盗賊はひとの財産を力づくで奪いとる輩なのよ。だったら力づくで奪い返したって問題ないわ」
「奪い返すだけ、か? 全部あの村人たちに返す気、あるのか」
彼の鋭い質問にもわたしは慌てない。
「ちょっとくらいくすねるのは可」
「いや不可だろそりゃあ……」
「ジゼル」
わたしはしぶしぶ振り向いた。というのも彼の大きな手ががっちりとわたしの肩をつかんでいて、離してくれそうにはなかったからだ。このまま盗賊団のアジトを目前にして言い争うのも馬鹿らしい。
「あなたはあのお城に閉じこもっていたから知らないでしょうけど、人間社会っていうのはそういうものなの。労働には対価が必要なのよ」
「お前、村からも代金取るんだろ。前金受け取ってたの、見たぞ」
「う……」
「だいたい何でおれが盗賊退治なんざ……」
長い黒髪を掻きながら、彼──ジゼルはぼやいた。長身で、黒づくめの格好はなかなかに立派なのだが、目つきはどこぞのちんぴら風。
「仕方ないじゃない。生きるにはお金がいるし、盗賊退治って割がいいんだから」
自慢ではないが、わたしはそうやって生きてきたのだ。過酷な境遇から生き延びるためにおのずと強くなったわたしは、その力を利用して糊口をしのいできたのである。時に賞金首を追い、時に盗賊団を一網打尽にして、そうやって稼いだお金から──。
「あなたの今までの食費やら宿代やらが出てるのよ? ジゼル」
「うっ……」
ジゼルは小さくうめいた。わたしはため息をつく。
「無一文魔王」
ジゼルはかっと頬を赤く染めた。
「わ、悪かったな! しょうがねえだろう、金なんてあの城にはなかったんだから……」
そう、ジゼルの正体は何を隠そうあの伝説の魔王なのだ。アルケナン・オ・アビシア──子供でも知っているその伝承は、彼本人が語った事実とはだいぶ違っているのだけれど……まあ、いろいろあって、今はわたしの旅の連れとなっている。
この魔王、つい先日まで何でも床や壁から湧いてくる魔法のお城に引きこもっていたせいで、世間知らずなことこの上ない。だが、わたしは彼のそういうところが嫌ではない。何となく、ほっとするのだ。幼い頃から世間の荒波に揉まれてきたわたしにとって、世俗に疎い彼は新鮮で、微笑ましい。
「それはそうと」
わたしは話を切り上げ、前を向いた。
「ジゼル──もう後には引けないわよ」
「え?」
「なぜなら……わたしが、いきなり魔法で殴りこむから」
彼がとっさに反応できないうちに、わたしは呪文を唱える。
「…………」
大爆発を起こしたアジトを前に、ジゼルは目を点にしていた。田七人参
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